2024/08/23 11:37

日本のタンナー 坂本商店さんが伝統技法と独自の高い技術で創り出す黒桟革、日本のみならず海外でも注目される唯一無二の独創的な革。

エンフォケでは黒桟革を使用した製品を製作販売しておりますので"黒桟革のケア"について紹介します。


"黒桟革 クロザンガワ"(型押し) -SAKAMOTO corp.-


漆を塗り重ねたシボの凹凸が特徴でもある黒桟革ですが、使用による摩擦や接触、所謂擦れや落下などにより漆が剥がれ落ちることがあります。

(ボロボロと漆が剥がれ落ちることはありません)


革小物などはうっかり落としてしまったり、鞄の中で他のモノと当たる、擦れるなどもあること。

日々の使用にて漆が剥がれ落ちた場合など、同色の皮革用染料で染色することも出来ますが黒桟革用の補色クリームもありますので紹介しておきます。

坂本商店さんでは黒桟革を生産する際の染料を使用した黒桟革専用の補色クリーム(各色)を下記サイトにて販売しておられますので、日頃のケアに最適かと思います。


坂本商店 関連商品販売サイト -HIMEJI KUROZAN- (黒桟革 固形補色剤 各色)




ここから、一例としてわたくしエンフォケが製作し、個人で使用しているモノの状態を紹介しておきます。

一年近く使用しているマネークリップ財布をチェックしました。基本ズボンのポケットに入れています。



反対側


全く問題無しでした。




次に一年ほど使用しているスリムキーケースです。鞄や服、又はズボンのポケットに入れたりします。


少し剥がれ落ちた部分が数箇所見えたので最初はDカン金具の擦れかと思いましたが、Dカンは根元以外は接触することがほぼ無いので、個人的にDカンに着けている車のキー又はキーリングがよく当たっていたようです。




金具をバラして、ベルト辺りは問題無し




光の当たる方向を変えてアップにして撮影して見ると、上の口元あたりに剥がれている箇所。

カメラズームでは細かく確認できましたが、目視ではよく見ないとわからない感じでした。




反対側も少し剥がれた箇所があります。




うっかり落とした時に剥がれた部分もあると思いますが、パッと見ではハッキリとはわからない感じです。

では、補色クリームで補修します。


こちらが黒桟革 固形補色剤



黒色です。(固形補色剤は他の色も販売されています)




塗り方は綿棒の先に固形補色剤を擦り付け、漆が剥がれ落ちた部分に円を描くように塗り付けた後、お手入れブラシで塗り伸ばして布で軽く拭き取る。

(坂本商店さんのサイトでは画像付きで説明されています)


わたしはお手入れブラシは無しで、綿棒で塗った後、少し時間を置き布で軽く拭き取り、それを2回ほど繰り返しました。


漆が剥がれ落ちた部分は少しマットな感じ、固形補色剤は塗り込めています。



角度を変えたら全然わからない感じでした。



個人的には、そこまで目立つ感じではなく気にせず使っていました。日々の使用で剥がれた箇所が気になってからのケアで良いと思います。


唯一無二の黒桟革はやはり魅力的な革、その魅力、風合いをお楽しみいただける革と思います。



ではまた、¡Hasta luego!